BASE(ベイス)の商品撮影サービスが無料で提供されていることをご存知の方も多いと思います。
BASEは、誰でも簡単にネットショップを開店させることができるサービスで、最大の特徴は楽天市場などのように出店費用などが一切不要というとんでもないネットサービスです!
正直、3年ほど前は、決済方法の種類やページデザインのカスタマイズ性など、まだまだ発展途上という印象がありましたが、最近では運営・管理機能も向上し、ネットショップを初めて開店予定の人、または既にネット通販を行っている企業の販路の拡大としても十分戦力として活用できるサービスサイトになっているのがBASEです。
出典:BASE (ベイス) | ネットショップを無料で簡単に作成
https://thebase.in/
その中でも特筆すべきは、BASE出店が条件とはいえ、商品撮影サービスを無料で行うという点です。
物撮り専門の撮影業者からすれば、BASEが行う商品撮影については様々な意見はありますが、ネットショップをこれから運営していく人にとっては、心強い味方になる。
今回は、BASEが行う無料の商品撮影サービスとの向き合い方、またこうした無料撮影サービスと他の撮影代行業者を併用することで、コストを削減しながら効果的な店舗運営が可能になるのかをご紹介したいと思います。
商品写真を撮ることで商売をしている側から見ても、BASEの商品撮影サービスが無料という太っ腹な対応に敬意を示しながら、専門業者との違いを理解して頂ければ幸いです。
BASEの商品撮影サービスは無料
BASEの商品撮影サービスが無料という言葉で衝撃を受けるかもしれませんが、本当に無料ですw
カラクリを単純に説明すれば、BASEは基本的にサービス利用者の決済手数料・サービス利用料などで運営されており、商品撮影サービスの代行業者ではありません。
BASE出店者向けのサービスの1つとして商品撮影の無料サービスが提供されており、一定の条件をクリアすれば誰でも申し込みできます。
弊社のように商品撮影の代行業務をしていると、オープン予定のネットショップや商品写真を外注したことが無いお客様は、自社の商品の撮影を依頼することに対して、少しハードルを感じていることがあるようです。
私がなぜBASEの商品撮影サービスを紹介するのかと申しますと、無料というポイントも大きいのですが、世の中の「激安だけがウリの商品撮影業者との比較」にも役立つと考えたからです。
正直なところ商品写真としての仕上がりは、エクセレントとは言えませんが(すいません)、あの激安だけの撮影業者と比べると仕上がりは悪くはないと思っています。
BASEの商品撮影サービスは、無料であるが故に「割り切った商品写真」の提供をしています。
これは、ネットショップオープン時に必要となる商品写真の撮影を無料にすることで、同社を利用する顧客に向け、コンテンツの充実を推進して、ショップ運営を成功させる第一歩は、商品写真ではなく、コンテンツの充実だと主張している意図がよく分かります。
弊社もブログで何度も書いてますが、「商品写真で訪問者は増えない!」という理屈に合っており、商品撮影サービスをBASEが無料にした意味合いは大きいと感じました。
こうした動きは、BASEのライバルとしても有名なサービス企業も2013年に撮影無料化を行っていたが、3年程で終了している側面があることを忘れてはならず、商品写真は無料であっても顧客の満足度を上げることは難しいとも言えます。
では、まずBASEとは、そもそもどういうサービスなのかを補足していきます。
BASEのサービスとは
BASEはオリジナルのネットショップが無料でかんたんに開設できるサービスです。
そのステップは驚くほど簡素化されており、ネットショップ開設実績がナンバーワンという触れ込みにも納得がいきます。
こう書き出すと、「無料が故の問題があるだろう」と感じるかもしれませんが、楽天市場など比較しても初期費用も不要、維持費用もゼロで、商品登録数は無制限で、コストパフォーマンスで見れば、圧倒的にBASEに軍配が上がります。
BASEは自社で運営管理を行うための、サイト制作の専門的な知識も不要で、規制や縛りのない自由な発想でネットショプを育てることができます。
またデザインや商品ページの構成だけではなく、SEO対策も上々であり、決済方法、SSL化、インスタ連動、顧客管理まですべてが提供されており、BASEの無料へのこだわりは強く、その象徴として商品撮影サービスを無料にしたことが挙げられます。
至れり尽くせりのBASEのサービスですが、既に楽天市場やヤフーショッピングに出店している企業が、BASEのようなサービスサイトでショップ展開をすれば成功するとは限らない。
楽天市場との決定的な違いとして、BASEは「自社でネットショプを本格運用する」という位置づけなので、人が集まる本通りに店を出すというよりは、裏通りに“こだわりの店を持つ”という感覚に似ており、本腰を入れて取り組まなければ、すぐに成果を出すのは難しいかもしれません。
BASEの出店に向いているショップ
ではBASEの出店に向いている人や企業とはどういうタイプなのか?
まず最初に考えられるのは、「はじめてネットショップ運営を検討中の場合」です。
正直、私が全くサイト制作の知識が無ければ、BASEのようなサービスは神レベルだと感じるでしょう。
何もかもが無料で利用できる点と本格的なデザインと店構えのECサイトが、ネットに不慣れな人でも1日あれば完成してしまいます。
つまり、あれこれ覚える必要はなく、商品のPRに時間を費やすことができる!
楽天市場のRMSなどを触っているオーナーの口からよく出る言葉にこんなものがあります。
「まだシステムを覚えきれなくてね・・」
この言葉の受け取り方によっては、RMSの多機能性を評価するべきかもしれませんが、裏を返せば直感的に素早い商品販売ができないという証拠でもあります。
きっと大手ショッピングモールの管理画面からBASEの管理画面を触ってみると、そのシンプルさに驚くかもしれません。
何かと費用のかかる楽天市場に出店しているショップが、BASEに移ってきても十分にメリットがあるような印象がありますが、個人的にはBASEは、積極的な販売ができる人でなければ継続運用は難しいと感じています。
つまり楽天市場やアマゾンのようにある程度集客ができている所に出店する場合と、BASEのように開拓していく出店方法とは大きく異なります。
もちろんBASEにも集客を促進するツール等もありますが、考え方としては地道なネットショップ運営が求められます。
となると・・・BASEって微妙なの!?
と感じた人は、楽天市場やアマゾンに出店している方が向いているかもしれません。
BASEは無料で様々な機能やサービスが受けられる反面、地道な運営活動が求められますが、これこそがBASEの強みであり将来的な希望が持てるネットショップの運営とも言えます。
最近人気のZOZOTOWN、多くのブランドやメーカーが出店していますが、ZOZOTOWNに支払うシステム使用料の高騰により、撤退や自社サイト路線に切り替えるショップの動きがあることも事実です。
これはZOZOTOWNだけの話ではなく、例えば、楽天市場が維持費や手数料などを引き上げたり、出店費用に見合うだけの売上がなければ、継続契約を諦めることは容易に想定できます。
もちろん契約を止めた段階で、楽天市場にあったネットショップはなくなる=ネット上で販売の継続はできません。
そうなると、最終的に頼みの綱となるのは、やはり自社で運営管理できるネットショップの重要度が増してきます。
その点、BASEは自社のオリジナルURLでの運用も可能なので、手数料が上がったり、BASE自体がなくなってしまったとしても、継続運用は可能となります。
BASEはあくまでもシステムだけを利用するサービスと捉えれば、楽天市場などの大手モールへの出店と異なり、利用先(出店先)への依存度は極端に低いことがメリットです。
BASEで成功しているショップは、出店前から知名度があるブランドや有名人の事例を除けば、「消費者に働きかける能力があるショップ」が成功しているように感じます。
消費者に働きかける能力があるショップについて、もう少し補足すれば、インスタをはじめとするSNSの活用とBLOGによる商品プレゼン力、あとは綺麗な商品写真を活用した説明文を含めた商品ページの構成です。
BASEに出店しているネットショップから受ける印象は、「等身大で親しみやすい運営」をしている気がします。
極端に値段をアピールすることはなく、商品そのものに自信がある紹介方法で、サイト自体のデザインはシンプルですが、なぜか個性が際立っており、楽天市場のように売れ筋だけが売れるのではなく、1点ものオリジナル商品が人気を呼ぶのが特徴です。
BASEの出店に向いているショップについてまとめると、商品写真はともあれ商品ページの制作やブログやSNSなどの活動を地道に行うことが可能で、取り扱う商品がオリジナル性が高いことだと思います。
つまり、本気で自社製品に自信があるショップは、必ず成功する道筋を作れます。
撮影業者から見たBASEの商品写真
BASEへの出店が良さそうだなと感じた人が、もう1つ気になるのは、無料の商品撮影サービスのクオリティです。
ここでは撮影業者から見たBASEの商品写真の仕上り具合を評価してみます。
BASEの公式サイト上では「プロのカメラマン」が無料で10点撮影!となっており、実際に依頼された人の商品写真を拝見する限り、「無料なので感謝しかないw」というのが素直な感想です。
もちろん、商品写真としてツッコミたい箇所はあるにせよ、はじめてネットショップをオープンさせる人が、諸々の撮影機材やカメラなどを準備して、自分で撮影することを考えれば、掲載用の画像を準備する目的は果たしてくれている。
それよりも注目して欲しいのは、激安の商品撮影サービスの“あの企業”とBASEの無料サービスを比較しても遜色無い仕上がりだという点ですw
主観ではありますが、高い安いに関わらず有料で商品写真を撮るという条件になれば、写真の評価基準も変わります。
しかし、BASEは無料で商品撮影をサポートしている段階で、評価の対象ではないと考えており、手間である撮影作業を代行してくれて感謝しか無いという評価になってしまいます。
利用時の注意点としては、BASEの商品撮影サービスには条件があります。
基本的にはBASEを利用することが前提であり、商品サイズやジャンルの縛り、撮影内容の指示はできない、そして商品ごとのカット枚数の指定もできません。
一見するとデメリットにも感じますが、あくまでも無料の商品撮影サービスなので、文句は言えません。
BASE出店ショップは商品撮影サービスとの併用も考える
BASEの商品撮影サービスを検討してどう感じるのか?
ネットショップによっては、ある程度の縛りがあるので利用を見送ることもあるかもしれませんが、冷静に考えれば、BASEのサービスだけで完了させようとするから、欠点が目立つだけで、説明用の画像だけBASEを利用して、メイン画像は自社でじっくり撮るか、または弊社のような撮影代行サービスに任せれば良いと思います。
何もかもを無料で済ませてしまいたい衝動も理解できますが、ネットサービスはTOPに合わせた活用をすれば、それぞれの良さを引き立たせることができるはずです。
単純に考えて10商品の撮影が無料なのであれば、弊社の単価で換算すれば、1万円程度の予算が浮く計算になります。
アパレル商品であれば、BASEは、原則ハンガー掛けでの撮影を行うので、バリエーションとして有料の撮影業者に頼む場合は、トルソーや平置き撮影などで、撮影方法を変えると、ハンガー吊るし撮影と異なるパターンの商品写真が入手できます。
もちろん、BASEの無料の商品撮影サービスで一旦販売をスタートさせ、消費者の行動に合わせて、他の撮影業者の有料となる商品写真を補強していくこともできます。
ここまでは、BASEの無料サービスをと他の商品撮影サービスとの併用する方法ですが、最後に商品撮影を代行する業者もBASEの現状から学ぶべき点もあります。
BASEに出店しているネットショップには、「オリジナル商品」を取り扱うケースが多く見られます。
楽天市場やアマゾンなど既存の商品撮影のパターンは、誤解を恐れず表現するならば、「旧来式の販売方法」です。
一方BASEに出店しているネットショップの商品写真には、個性が溢れています。
その販売方法もBASEを拠点にBLOGやSNSを上手く利用した集客方法で、見せる商品写真というよりも“感じる商品写真”を目指している部分があります。
旧来式の販売方法のように文字やデザインで消費者の目を惹く手法ではなく、1枚の商品写真でいかに商品を伝え、魅せるのかが課題となります。
依頼元の出店先に合わせた撮影方法や技術レベルがあるのかを日常的に問いながら、撮影業務に勤しむ必要があり、そうした時流に合わない“撮るだけ”の代行業者は、BASEが示すように無料サービスと同レベルと判断されることもあるでしょう。
商品撮影サービスを展開する業者にとっては、良い刺激を与えてくれるBASEの試みに敬意を称します。