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商品撮影の背景の種類と特徴について

商品撮影の背景の種類と特徴について
商品撮影サービスの基本とされている背景は「白背景(ホワイト)」ですが、なぜ白背景なのかを考えたことはありますでしょうか?
商品撮影の背景は白以外にも、カラーバリエーションも豊富にありますが、定番は白・しろ・シロです!

さらに掘り下げれば、同じ白のペーパー背景でも紙の質感も違ったり、布背景に至っては「白色系」での種類や生地の特徴は、無限に広がっています。

商品撮影における背景と色との関係性から今回はご紹介したいと思います。

商品撮影の背景が白の理由

商品撮影の背景が白の理由
撮影背景のお話をする前に、撮影のライティングパターンとして、「背景の白飛ばし」というセッティングがあります。
これは商品の輪郭を出し、背景を真っ白に飛ばすことで、商品を引き立たせる、または画像加工用途として扱いやすい画像にする意味合いもあります。
まずはテストサンプルとして画像を用意しましたので御覧ください。

商品撮影の背景が白の理由サンプル画像

同じ「背景白飛ばし設定」で撮影したものですが、左側の画像は、商品カラーはイエロー、右側はホワイト。
気にしたことが無いかもしれませんが、「なぜ白い商品を白い背景で撮らなければならないのか?」という素朴な疑問・・

確かに白い商品を見せるのであれば、背景は黒の方が色が輪郭も強調されクリアに見えますし、黒の背景で撮っておいて必要であれば商品部分だけを切り抜き加工をすれば問題はないように感じますが、実はそれでは都合が悪い事情があるんです。

撮影背景が白の理由1:商品の正確な色が把握できる

撮影側から考えれば、ホワイト色の商品を「背景白飛ばし設定」ではなく、「黒背景で撮る方が色のコントラスト的には楽」ですが、参考画像のように商品自体に厚みがなく、生地が薄い素材のものをコントラストの極端に異なる背景色で撮影すると、商品に背景カラーが影響してしまいます。
背景の色が透過してしまっている商品写真を後から切り抜き加工をすると、背景の色に影響を受けた商品の色はホワイトではなくグレー系の白に変化していまいます。
商品の正確な色が把握できる

撮影背景が白の理由2:カラー背景で撮影した商品画像の出品拒否

大手ショッピングモールで商品を販売するには、メインに使用する商品写真「白背景で撮影された画像」という条件が付く場合があります。
代表的なのはAmazon(アマゾン)で、同社の検索窓で、「白 シャツ」と検索してもらうと、切り抜き加工の有無はありますが、すべて背景は白で統一されています。

ちなみにアマゾンは規定として、メインに使用する商品写真の背景は「RGB値がすべて255であること!」、つまり「真っ白状態」のみとされています。
上記参考画像を任意の場所に保存して頂き、フォトショップ等の編集ソフト(スポイトツールなど)で測色して頂ければ分かると思いますが、弊社の背景白飛ばしのRGB値は「255.255.255」となっており、撮影の段階&無加工状態で真っ白になっておりますww

平置き撮影での背景白飛ばし設定

平置き撮影での「背景白飛ばし設定」は、撮影スタジオによっては底面から照明を行うことで実現する事例もありますが、主観として綺麗に平置き商品写真を見せつつ、背景のRGB値を255に統一するには、「切り抜き加工を想定したセッティング」で行った方が質感を再現できると考えます。

撮影背景が白の理由3:背景が白の写真で商品の売上UP!

理由2の真っ白規定とは少々外れますが、最近の時流として「雰囲気のある白背景」は売上に直結するというデータもあるようです。
どういうことかと申しますと、「背景白飛ばし」のようなセッティングでは表現がしにくい領域、例えばアパレル商品であれば「生地の風合いや厚みを感じるような撮影手法」にプラス、白をベースに撮影背景を組み立てる写真です。
具体的なサンプル画像として、タイトスカートの写真を御覧ください。

背景が白の写真サンプル

左側の写真は、「撮ったまま」のハンガー吊るし撮影ですが、商品を挟んでいる部分を少し工夫して、狭み留めしてる金属部分が写らないようにしてありますが、この下準備の理由は、「切り抜き加工の有無」に関わらず商品を綺麗に魅せるひと手間です。

右側の切り抜き画像の背景はRGB値255の真っ白な背景になっていますが、服の風合いは残っているのが確認できると思います。
左右の商品写真から言えることは、「グレートーンの白背景でも映える」そして「切り抜き加工しても商品の風合いもキープ可能」、これを両立した商品撮影となっています。
よく見る雑誌やカタログの「ちょっと高価な商品写真」が弊社では標準で付きますって感じですww

商品撮影のように「正確に商品を伝える写真」が必要とされる場合は、基本は白背景で撮影することが前提ですが、カラー背景やペーパー素材以外の背景を使用して効果的に商品写真を魅せることもできます。

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商品撮影の背景は布かペーパーどちらが良い?

商品撮影の背景は布かペーパーかの比較
商品撮影に使用する背景の素材には「紙(ペーパー)」と「布製品」をはじめ、床材背景でガラス系、プラスティック系を使用するなど種類は多くありますが、初心者の方が「扱いやすい背景」として考えると「紙と布」という選択となると思います。

ネット上では商品撮影に使用する背景は「紙と布」どちらが優れているのか?と迷っている人もいるようですが、個人的には商品撮影においてイメージ写真を撮る目的以外、つまり商品の説明用の撮影背景としては、「紙(ペーパー)」を使用しています。

ペーパーと布の背景で、ペーパーを選ぶ理由は単純で「業務上、使い切りだから」ですww
弊社の備品では布背景も約50種類ございますが、使用用途はイメージ撮影用の背景で、ペーパー、特に白はどこの撮影スタジオも常時在庫を確保している商品撮影では必需品です。

ペーパー背景の利点は、「シワのない素直な背景」「汚れたら切って捨てることができる」ので、常に新品の綺麗な状態の背景で撮影できます。
対して布背景もメンテナンスをきちんと行えば、説明用の商品写真のレギュラー背景として常用できる可能性もありますが、業務で使うには、都度使用後のメンテナンス作業の時間がもったいないというのが本音です。

背景素材について細かい部分の違いとしては、撮影用の照明を当てた時の光の反射率がペーパーと布背景では異なります。
あくまでも個人的な経験則ですが、ペーパー背景は照明の反射のクセが少なく、“当てた分だけ跳ね返りがある”という印象で、布背景はサテン系を除けば「照明を一定量吸収するイメージ」があります。
これに関してはペーパー、布背景それぞれの厚みや色によっても変化しますが、反射率という点で分かりやすいのは、黒色のペーパーと布背景を同条件で照明を当てた時で、それぞれの背景で光の反射範囲は違います。

商品撮影の背景は布かペーパーどちらが良いという正解はありませんが、敢えて言うとしたら、

商品撮影用の背景素材は、撮影する目的に合わせて使用する

という歯切れの悪い答えになってしまいます。
このブログでも書いていますが、撮影作業を行う順番として商品撮影の背景を選ぶことは最優先事項ではなく
、「撮りたい写真にするための素材(演出)」であって、撮りたい写真(目的)が不明な状態でペーパーと布背景の違いを語るのであれば、材質や使い勝手の話に終始してしまいます。

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商品撮影の背景選びについて

商品撮影の背景選びについて
さて「商品撮影の背景の選び方」ですが、白色以外での背景で撮られた写真は、「イメージ写真」という意味合いが強くなるのですが、撮影背景の指定でよくあるパターン事例をご紹介します。

例えば商品画像でインパクトを残そうと考えた依頼主が、カラー背景を使った撮影をオーダーする。
ここまでは間違っていませんが、納品後の予算の都合や納期の問題などで、カラー背景で撮影した商品写真を切り抜き、後から白背景に合成する。

画像の有効活用という点では否定はしませんが、撮影の段階でカラー背景で撮影した写真の取り扱いには注意が必要です。
理由としては、「色・柄のある背景」は、商品の色にも影響を及ぼすからです。

前章の「撮影背景が白の理由1」でもご紹介したように、商品に背景カラーが“色被りを起こしている画像”を、「説明用の写真」に加工することは、消費者から見れば正確な色の判断がつきにくく、印象が悪くなってしまうことがあります。

撮影時の背景色を除去し、合成加工をしてバナー素材などで使用する時に基本となる商品画像は、白背景で撮られた商品写真を使うことを推奨します。

カラー背景を使用したイメージ写真というのは、「その背景カラーと商品を見てセッティングを組んでいる状態」ですので、「そのまま使うのが常套手段」であり、無作為に商品部を切り抜き加工することは賢明ではありません。

撮影予算を考えるのであれば「まずは白背景での撮影予算」を出し、自社で合成加工するのか、追加としてカラー背景を使用した写真を依頼するのかを検討することをオススメします。

商品撮影の背景カラーと演出技術

商品撮影の背景カラーと演出技術
商品撮影の背景は、カラーや素材にこだわると多様なバリエーション演出を行うことができます。
しかし、イメージ撮影を依頼する際に代行業者であれば、どこでも背景種類を活用した綺麗な撮影をしているかと言えば、残念ながらそうではありません。

商品撮影におけるイメージ写真というのは、背景チェンジを行うだけではなく、「イメージ性+商品写真としての正確さ+バランス」を重視する必要があります。

簡単に説明すると、「過剰にデフォルメ(誇張)された商品写真で売上は見込めない」ということです。
次の画像を例に挙げてみましょう。
1枚目Aの写真が基準となる商品のイメージ写真だとして、2枚目B、3枚目Cはコントラストや色調を変化させ過ぎて、「正確な商品の色と演出効果のバランスが崩れている状態となります。

撮影背景による演出高価の比較

商品撮影サービスを行う代行業者のサンプル画像で、「ハイクオリティ」と称されるイメージ写真にはデフォルメ感が強過ぎるものがあったり、撮影背景と商品の色合いとバランスや相性に疑問を感じる参考写真の事例もあります。

撮影スタジオにイメージ写真を依頼する時は、背景選びの前に、「通常の写真の品質」を確認してから検討する方が賢明なのかもしれません。

単純に見れば、撮影背景の種類が豊富であってもイメージ写真を撮る側の演出技術がなくては成立しません。
弊社の考えとしては、オプション料金を見込んだ撮影背景の提案ではなく、基本料金内で収まる白背景でもライティングによってイメージ性が出せるような提案をしております。

セッティングによる演出が可能であれば、撮影背景を追加するというオプション費用は不要ですし、何よりも切り抜き加工用のベース画像としても「使い勝手」という部分で有効利用できます。

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